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平凡な人生に刺激をくれた本 人生を濃密に生きるってこういう事なんだ。 ブックレビュー 三流シェフ 三國清三

こんにちは。

 

三國シェフに興味を持つようになったのは、YouTubeがきっかけです。

 

YouTube オテルドミクニ

 

ピカピカに磨き上げられたレストランの厨房で、気さくな三國シェフが丁寧に、家庭でも作れる美味しい料理をレクチャーしてくれる(ほぼ毎日!)チャンネルです。

「世界のミクニ」はギャグを言ったり、よいしょ、よいしょ、と一生懸命に料理を教えてくれます。その手際はすばらしく、見ているだけでもお腹が空いてきます。さらに、テレビや料理本にのっていないような、本格的なフランス料理や世界の料理を、家庭でできるよう簡単にアレンジして紹介してくれるので、これまで見てきた本やテレビの世界とはちがった料理の面白さを教えてくれました。

 

もちろんと言うべきか、YouTubeのチャンネル登録者数は右肩上がり。料理本も出ています。そして今回は、料理本ではなく、シェフの半生を綴った自伝的な本が出版されたということで読んでみました。題して、『三流シェフ』。国内外のレストランで修行し、自身のレストランも手掛けるシェフが三流ってどういうこと?自虐?と思いましたが、どうやら三國シェフは本気でご自身のことを三流だと思っているそう。

 

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中身を読み進めてみると、その理由はシェフの狂気的な探究心と向上心にありました。世界で天才的なシェフを目の前にすると、三國シェフでも自分は日本で生まれた三流シェフだと思うと言います。しかしそこであきらめないのが、世界のミクニ。シェフの頭の中に、後に引くという言葉はないのかと思うくらい、自分の料理のために、目標に向かってイバラの中を突進していきます。

 

本にある数々のエピソードの中でも驚いたのが、現在の自分の店を持つために、お金がない中でもどうにかオープンまでこぎつけた話しです。

お客さんから、「技術、信頼、お金」のどれか2つがあればお店は開ける、という言葉を信じ三國シェフのレストランに常連で来てくれていた人をツテに、自分の店を持ちたいんです、と頭を下げ続け、快諾を得てやっと自分の店を持てたという話しです。これマンガの世界じゃないよね?というくらいすごい話しですよね。料理への情熱と三國シェフのすさまじい本気度に鳥肌が立ちました。

 

本書にはその他、頼まれていないのに先輩シェフの手伝いをしたり、もう仕事を辞めるのに、夜に他店舗へ行き鍋を磨いたり、といったエピソードもあります。本当に料理が好きなのだなぁと実感。挫折したり上手くいかないことも赤裸々に語ってくれているので説得力が半端じゃない。それでもがむしゃらに猛スピードで進んでいくストーリーを読むと、自然とこちらも勇気をもらえました。

 

これまで本当に三國シェフが、生涯を通じて並みの人間には想像もできないほど、フランス料理に打ち込んできたことがわかります。そして3年後の70歳に向けて、これまでのレストランをクローズし、新たなカウンターだけのお店をオープンする予定があるそうです。三國シェフは、死んだ後に天国でやりたいと言っていたことが奇跡的に生きているうちに実現できるのが嬉しいとありましたが、亡くなった後の夢まで考えているとは、すばらしいというか、さすがだなぁと見上げてしまいました。

 

 

この本を読んで、私の平々凡々な毎日に熱々の刺激を与えてくれました。もちろん三國シェフのようにはいかないかもしれないけれど、情熱を持って、(ひとまずお金を無視しても)何かに打ち込む姿は、正直うらやましいと思いました。学校を卒業して就職して子供を育てて、老後に突入するという人生に、これでいいのか?と疑問を感じる人は少なくないと思います。

 

私には三國シェフのように、人生すべてを捧げるものはないかもしれないけど、いま生きている以上、好きなことや心からやってみたいことにブレーキをかける必要なんてないのだなぁ。と思った次第。濃密に生きている三國シェフから人生の大切なことを教わった気がします。

 

得意なことや、打ち込めることが無いとモヤモヤしている人におすすめです。読んだ後はきっと、もっと自由に充実した人生を送るヒントを得られます。

 

 

今回もブログをお読みいただきありがとうございました。

それではまた次回。